681 名前:605の続き[sage] 投稿日:2005/12/24(土) 09:54:45 ID:F55eJ4AU
 何せ楓の唇のすぐ先に稟の耳があるのだ。こんな声を間近で聞かれるのは流石に恥ずか
しい。
 が――
「あっ、んああっ……やあぁ、稟、くんっ」
 不意を衝くように乳首を摘まれ、堪らずに喘いでしまう。
「声、んんっ……で、出ちゃい、ますぅ……ふああっ」
「出せばいいだろ。どうせ俺以外には誰も聞いてないよ」
「やっ、恥ずかしい、です……ああんっ、んんっ」
 刺激されて硬く立ち上がった突起が稟の掌の下で転がる。
 時には痛いほど強く、時にはもどかしいほど弱く……そんな自らの意思の与り知らない
愛撫に楓はただただ翻弄され、よがってしまう。
 自慰などよりもずっと気持ちいいのは確かなのだけれど、同時に身体の虚も切ないほど
に疼いた。
「ん、はあっ、あぁ……稟くんん……っ」
 早く触れてほしい。足りない部分を埋めてほしい。
 そんな思いが届いたのかどうかは定かでないが――稟の手が、僅かに茂った陰毛を掻き
分けて、楓のそこに触れた。
「……楓、凄く濡れてる」
 驚いたように稟が言った。
 実際、そこは楓が普段自分で慰める時よりも多くの蜜で潤い、愛する人を待ちかねるよ
うに開きかけている。勿論、楓はそれを自覚していたし、自覚していたからこそ何も答え
られなかった。ただ今まで以上に赤く染まった顔を逸らし、少しでも稟の視線から逃れる
ために身体を捩じらせることしかできない。
 だが、楓のそんなささやかな抵抗を稟は片手で腰を押さえ込んで止めてしまう。
「稟くん、私……稟くんだから、こんな……」
「ああ、分かってる」
 稟は穏やかに笑んで、楓の額に唇を触れた。
 大丈夫、彼はきちんと理解してくれている。全てを任せられる。受け入れてくれる。改
めてそう思うと、楓の身体を強張らせていたものが、すうっと抜けていった。
 ゆっくりと稟の指が入り込んでくる。自分の指以外のものを知らないそこは、彼と繋が
るにはまだ少しだけ硬い。
「んっ、ああ、稟くん……あんんっ」
 敏感な粘膜が丁寧に擦り回される。されていることは自慰とさして違わないのに、それ
以上に湧き起こる快感に楓は甘く喘いだ。
 不意に、稟が楓の中に入れたままの指を捻った。
「あうっ、ん、ああぁ!」
 まるで身体中の神経を捩られるかのような性感が楓を襲った。陰部のあらゆる所が刺激
され、その上、肉襞を掻き回されてしまったのだ。まだ多くを知らない楓にとって、その
刺激はいささか強過ぎる。
 更に、それに加えて稟は親指の先ですっかり膨張した楓のクリトリスを突っついた。指
がストロークする度に、クリトリスまでも押し潰されてしまう。
「あんっ、ん、稟くん、だめっ、だめです!」
 意識が遠退くような感覚がした。楓は必死に頭を振ったが、近づく絶頂を押しやること
など到底かなわない。
 今や部屋中に響くほどの水音も、勝手に痙攣して止まない腰も、もう自分のものではな
いみたいにも思えてくる。ただ一つ、確かに身体を包み込むのは、甘く心地良い浮遊感。
それが行き着くところにまで達した瞬間、楓はきつく唇を噛み締めた。
「んんっ、んんんん――――ッ!」
 びくん、と二度三度大きく身体が跳ねる。
 少しのあいだ緊張したままでいた肢体が弛むと、楓は糸が切れた操り人形のようにぐっ
たりとして熱く荒い息をついた。
「楓」
 乱れた呼吸が落ち着いた頃、稟がそっと楓の頬を撫でた。
 その手に自分の手を重ね、楓は微笑んだ。
「稟くん……私、今とっても幸せです……もし、このまま死んでしまっても、それでも構
わないくらい幸せです……」
「それは俺も嬉しいんだが、喩えでも死ぬなんて縁起でもないことは口にしないでくれ。
八年前、一度は本当に楓のことを失いかけてるんだから、あまり良い気分がしない」
「あ……ごめんなさい。でも、本当にそれくらい、幸せなんです」
「ああ。俺も幸せだよ。こうしていると、はっきりと分かる気がする。楓のことが好きな
682 名前:楓っつーかネリネもシアも空気みたいでカワイソス[sage] 投稿日:2005/12/24(土) 09:56:06 ID:F55eJ4AU
んだって」
 そう言って、稟は楓と唇を触れ合わせた。舌を絡ませたりもしない、ただそれだけのキ
ス。けれど、その感触はどんな言葉よりも雄弁に楓への愛情を語っているようだった。
 稟は顔を離すと手早く服を脱いだ。直視するのは憚ったが、それでもちらりと視界の端
に勃起した彼の性器を捉えて、楓の胸は高鳴った。自分の姿に反応を示しているというこ
とが純粋に嬉しかった。
「じゃあ、楓……いいか?」
「はい、稟くん」
 確かめるように稟が楓の陰部に指を差し入れる。十分に濡れてはいるが、とても窮屈だ。
 稟のペニスの先端がそこにあてがわれると、楓は瞼を下ろして身体の力を抜いた。ゆっ
くりと彼が入ってくる。途中までは意外と滑らかに進んだものの、やはり避けられない部
分に至ると動きが止まった。
「楓、大丈夫か?」
「私は大丈夫です。ですから、何も気にしないで稟くんのしたいようにしてください」
「……頼むから、痛かったり無理そうだったらちゃんと言ってくれよ」
 心配そうな顔を見せる稟に、楓は無言で微笑んだ。
 稟は小さく溜息をついてから再び奥へと進みだす。下腹の中で走った鋭い痛みに楓は思
わず声を漏らしかけたが、反射的に奥歯を噛んで堪えた。ずっとこれが続くのだろうかと
考えて流石に怯みかけたが、その後は特に抵抗も無く完全に繋がることができた。
「どうだ、痛くないか?」
「痛みは、それほどでもない、です……けど、少し、苦しい感じが、します……」
「そうか」
「ごめん、なさい……今は、もう少し、このままで……」
 楓が呼吸を整えていると、稟が手を伸ばしてそっと髪を撫でてくれた。何度も何度も、
優しく励ますように。
「あの、稟くん」
「ん?」
「そろそろ、大丈夫だと思います。動いてみてください」
「分かった。辛かったら言うんだぞ」
「……はい」
 稟がゆるゆると腰を引く。そしてまたゆっくりと時間をかけて突き入れる。それはたゆ
たうような心地良い律動だった。段々と痛みが薄れて、代わりにじわじわと身体の内側が
熱くなってくる。
「ふぁ……んん、あっ……」
「楓……?」
「あっ、稟くん、んああ……気持ちいい、です……もう少し、動いても、いいですよ……」
 初体験はひどく痛くて女にとってはただ苦しいだけ。雑誌などの知識でそういうものな
のだろうと想像していたけれど、もう既に粘膜を擦られるこの感触に楓は酔っていた。
 楓の場合は多数意見が当てはまらないということなのか、それとも実際はこういうもの
なのか。いや、或いは――
(稟くんと……している、から……?)
 ぼんやりと稟の顔を見上げる。彼は楓が今まで見たことのない切なげな表情をしていた。
 ぞくっ、と楓の身体が震えた。 
「稟くんは、気持ちいい、ですか?」
「ああ……凄くいいよ、楓の中」
 吐息混じりに掠れた声音で稟が言う。
 いま確かに、愛する人がこの身体で快楽を得ている。そう思うと、楓は何とも言えない
悦びを感じた。
「私も、気持ちいいです……稟くんが居るのが、分かって……」
 動きが激しくなったからか、肌を打ち合う生々しい音がする。だがそれも、恥ずかしい
と思うよりも、ただお互いを高める要素でしかない。
 ふと、稟が手を伸ばして楓の乳房を揉みしだいた。
「楓……楓……っ」
「稟くん、ん……もっと、もっと、稟くんを、ください……ふあぁっ」
 楓も稟に合わせて体を揺り動かす。巨大な快感が体の中で渦巻いていた。無意識的に膣
内を締め付けると、稟が小さく呻いた。
「くっ……か、楓」
「稟くん、稟くんんっ!」
「っ、もう……っ」
 稟が腰を引こうとした……その瞬間、楓は咄嗟に彼の背に足を回した。
683 名前:楓っつーかネリネもシアも空気みたいでカワイソス[sage] 投稿日:2005/12/24(土) 09:56:41 ID:F55eJ4AU
「なっ、楓――!」
 稟が焦ったような声を上げる。
 それでも楓は足を離さず、むしろより強くその体を絡め取った。
 楓の中で、何か熱いものが弾けた――そんな気がしたのは、或いはただの錯覚だろうか。
だが確信があった。彼の子種を受け止めたのだ、と。本能的な部分でそう悟った。
 しばらくして、楓は足を離した。
 稟は小さく溜息を漏らすと楓の中からペニスを抜いた。傍の机からティッシュペーパー
を取り出して自分のペニスを拭き、そして楓の陰部を拭った。後始末を終えると、楓の髪
を撫でながらその隣で横になった。
「責任取るとは言ったけどな……俺達まだ高校生なんだからさ、あんまり無茶はしてくれ
るなよ」
 穏やかな口調で稟は嗜めた。
「すみません。でも――」
 楓は微笑みながら言う。
「幸せです……私、本当に幸せですよ、稟くん」
「……俺も、幸せだ」
「そして、不安でもあります」
「不安?」
 稟が小さく眉をひそめる。
「あまりにも幸せすぎて、不安なんです。これでいいのかな、本当にこんなに幸せでいい
のかな、何か――何か落とし穴があるんじゃないのかな……そう思ってしまうんです」
「……」
「幸せな夢みたいで。目が覚めたら、どうしようもない現実が待っているような気がして……」
 楓は強く稟を抱きしめた。
「稟くん、ずっと一緒に居てくださいね。これが夢なら、覚めてなんかしまわないように。
これが現実なら、二度と泣かなくても済むように」
「当たり前だ。離れたりなんてしないさ。今まだってそうだったろ。これからだって、ず
っとそうだ」
 はっきりとそう言って稟は楓を抱き返した。
 その力強い感触に、楓は口元を綻ばせて、大きく頷いた。
684 名前:蛇足というか、オチというか・・・[sage] 投稿日:2005/12/24(土) 09:57:26 ID:F55eJ4AU
「稟くん、朝ですよ。起きてください」
 聞き慣れた声に目を開ける。
 窓から差し込む明るい陽光を受けて、楓が花のように微笑んでいた。
「おはようございます、稟くん。今日はとても気持ちのいい朝ですよ」
「ん……あ、ああ……そう、みたいだな」
 楓の顔を見た途端、一瞬にして稟の脳裏に昨夜の出来事が蘇った。いま考えてみると、
おそろしいくらいクサい台詞の叩き売りをしていた気がする。それに、自分も楓も殆ど狂
ったみたいに乱れていた。
 凄まじい気恥ずかしさに、頬が赤く染まる。稟はちらりと楓に視線を向けてみるが、彼
女はニコニコと微笑んでいるばかりだ。
 まさか昨日のアレは夢だったんじゃないだろうな――そんなことをふと思った瞬間、
「あの――昨日は、とても素敵でしたよ。稟くん」
 呟くように小さな声で楓が言った。
 見れば、その顔は仄かに赤く色づいている。
「さあ稟くん、起きてください」
 ついそんな楓の表情に見とれていると、慌てたように引っ張り起こされてしまった。や
はり照れているのだろうか。
「楓」
「はい?」
 ちょこんと首を傾げた楓に、稟は素早く唇を重ねた。
「ずっと、一緒に居るからな」
 顔を離してそう言うと、楓も「はい」と小さく頷いた。
 一階に下りてダイニングの扉を開けると、テーブルの上には湯気の立つ味噌汁とご飯が
並んでいた。
「……おはよう」
 椅子の一つに座ったプリムラが、ぼそっと挨拶を投げてよこす。その目の下にはくっき
りと隈ができていた。
「り、リムちゃん。も、もう起きてたんですか? それに、朝ごはんも……」
 驚いたように楓が言った。
「私が作った……それと、起きたんじゃない……眠れなかった……」
 あくまでも淡々と無表情でプリムラは言う。
「稟も……楓も……私が居ること、忘れてたみたいだし……」
 楓の頬が一気に赤く染まった。呆れるでも咎めるでもないただひたすらに無感動なその
口調は、いかにも客観的に事実を述べているのだという風で、聞かされる側としてはかな
り恥ずかしい。
「とにかく……二人とも……色々と考えた方がいい……」
「あ、ああ。そ、そうだな……」
 稟も震える声で頷くことしかできない。ずずっ、と覚めた様子で味噌汁を啜るプリムラ
を眺めて、前途はあまり楽なものでもないかもしれない――と漠然と思うのだった。
685 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/12/24(土) 09:59:07 ID:F55eJ4AU
思ったより時間かかってしまいました。すみません
急ピッチでやったんですがね・・・誤字脱字があったら笑って許してください

それでは、ごきげんよう

 [戻る]